言葉

作詞家が意図して意味を込めた歌詞があり、深い感銘を受けた曲があるので備忘録。

 

What's It For

 

I'm not too sure that I can go much futher

もっと先に進んでいけるかどうかわからない
I'm really not sure things are even getting better

物事がよくなっていくのかすらわからない
I'm so tired of the me that has to disagree

否定し続ける自分自身に嫌気がさす

And so tired of the me that's in control

制御できない自分自身にもう耐えられない

I woke up to see the sun shining all around me

目覚めると太陽が私を照らす
How could it shine down on me?

どうしてこんな状態の私に太陽の光は降り注ぐのか


You'd think it didn't notice

あなた(太陽)はおそらく思うだろう(こんな状態の私を知らないから)
I can't take anymore

そんなもの(太陽の光)はいらない(もう我慢できない)
I had to ask myself

自分に問いかけなければいけない
"What's it really for?"

その本当の意味は何?

Everything I tried to do, it didn't matter

自分がやってきた事すべてが関係ない事だった
and now I might be better off just rollling over

今は流されていった方がいいのかもしれない
'cause you know I tried to hard but couldn't change a thing

なぜなら挑戦してきた事が変えられなかったことを、あなたは知っている
And it hurts so much I might as well let go

悔しささえも忘れなければならない

I can't really take the sun shining all around me

自分を照らす光が受け入れられない
Why would it shine down on me?

なぜそんなに明るく接してくるの?


You'd think that it would notice

あなたはもしかして知っているのか
I no longer believe

これ以上、信じられない事を
Can't help telling myself

自分自身に言い聞かせなければならない
"It don't mean a thing"

それには意味がない、と

I woke up to see the sun shining all around me

目覚めて光が降り注ぐのを見る
How could it shine down on me?

どんな気持ちで私を照らすの?
Sun shining all its beauty

太陽はその美しさを輝かせている
Why would it shine down on me

どうして私を照らすの
You'd think that it would notice

あなたならきっとわかっている(太陽は私を見透かしている)
I can't take anymore

これ以上我慢できない
Just had to ask myself

自分に問いかけなければいけない
"What's it really for?"

それは何のためのものなの?

 

 ※※※

 

早朝に似合うような澄んだメロディライン。

メロディと対照的な、人生の底辺でもがき苦しんでいる歌詞。

 

しかし先生が言うにはこの主題ともなる

"What's it really for?"

このフレーズには二つの意味があるという。

・今までやってきた事はなんだったんだ

・太陽の光は何なんだ

 

このフレーズ以外にも、二重に表現している部分が、歌詞のいたるところで散りばめられてる。

これらの布石により、題名にも二重の意味が含まれていることがわかる。

「太陽が照らし続けている」と歌詞の中でも繰り返し綴っている。

つまり

「今までやってきたことが意味がないなら、何故、太陽の光(希望)はあなたを射すの?」

と作詞家は同時に問いかけている。

 

ここからは独自の曲の世界観の解釈。

 

全てやり尽くした、自分はもうダメなんだ、

と思っていても、それはあくまでも自分の中での、暗い部分だけの世界であり、

それにしかフォーカスできない状態というのは、言い換えると自分で自分を締め上げている状態。

締め上げている自分に気づき、いったん緩め、自分を許してあげる。

そうすると自分と距離を置くことができ、自分が置かれている現状を俯瞰する事ができる。

暗闇の渦中にいたと思っていた世界は、活路を導く光があることを教えてくれる。

 

自分の価値観も盛ってしまったが、受け手により解釈は様々ということで。

そう捉えると、この澄んだ光のようなメロディラインが活きる。

陰を表す歌詞と、陽を表す曲が、ひとつに交わる世界観に感銘。

 

※※※

 

言語が英語なので先生の解説により、この曲の意味を知ることができた。

直訳ではわかりにくい、英語文化圏での表現。

文化がわからなければ、理解できなかった世界。

 

もちろん、言葉はなくても通じ合える。

しかし、必要な状況において、最も適切な言葉をもらった時、

その言葉は言霊となり、自分の中で生き続き、指針を作り、励まして応援してくれる。

生涯ずっと寄り添える、自分自身を支えてくれる拠り所にもなり得る。

 

もちろん言葉だけで全ては伝わりきれないけれど、

それでも一瞬でも重なる部分があれば、

それが自分の核心と共感できる部分であれば

言葉は他者とより深く共感できるツールなのだ。


What's it for? [GitS:SAC O.S.T 2] - YouTube